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天天好時光

よくわかる~~

「よくわかる」だの、「図解」だのと銘打っている本は、往々にして記述のいい加減なものが多い、というのは誤解かもしれない。だから、手にとって内容をパラパラと見たり、著者や編者を見て、気になったものは買うつもりである。

加藤秀一ほか『図解雑学 ジェンダー』は、著者を見て、これならば、買っても後悔しないだろうと思って、求めた一冊である。

果たして、本書は、買ってよかった、と思えるような内容であった。

入門書にしては、いくつか難解な部分があって、著者がまえがきで記すように、すんなりと読み過ごすことができないけれども、それは、ジェンダー研究の、深奥を垣間見たと理解すればよいと思う。また、はしょった記述も散見されるけれども、巻末の参考文献を紐解けば、解決できるだろう。

ジェンダーに対する興味関心を惹起させる点において、本書は立派な入門書足りえている。

あと、アマゾンの本書に対するレビューの如く、理論と現実社会との乖離を批判する向きがあるけれども、そもそも理論は、現実社会の実践なしではありえないものである。理論は、経験的に獲得、構築してゆくものである。また、理論なくして現実社会を云々することは、不可能である。納得できない理論も、当然あるだろう。しかし、それを、現実から乖離しているだのといって、嘲罵するだけではダメで、批判者は、批判対象を論破することのできる対抗言説(これもまた理論である)を、構築しなくてはならない、と思う。
by pangxie | 2006-03-02 09:22
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