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天天好時光

新疆人

上海に来てから、新疆人に注意しろと、複数の人から言われたことがある。偶然知り合った、安徽省から来た出稼ぎ労働者は、新疆人はいつも群がっていて怖い、と言っていた。中国同学からは、大学近くの国定路周辺はとくに多いから、トラブルに巻き込まれないように、と警告されたことがある。

中国は、基本的に厳格な戸籍制度があって、自由な移住は認めていない。だが、少数民族は、漢族よりもある程度は優遇されているという。なかには悪さを働く者もいるかもしれないが、上のような言い方は、少数民族に対する偏見や、排他的な感情に相当程度、因っているのではないかと思われる。漢族にとって、新疆人は、徒党を組んで悪事を働くように見えるのが、実はそれは単なる同族の集まりに過ぎないかもしれない。同じ民族が助け合って商売をするのは、ことばも習慣も異なる場所での生存手段の一つである。異郷で必死に生きようとする姿も、ここからはうかがえる。

一方で、火のないところに煙は立たぬという意見もある。だが目立つか目立たないかの違いはあるのではないか。悪さを働くのは、何も新疆人に限ったことではない。漢族の中にだって犯罪者はいるし、外国人の中にもいる。出稼ぎに来るのは、新疆人や蔵族のような少数民族ばかりではない。漢族の出稼ぎ労働者が、圧倒的に多い。新疆人に注意しろと忠告した安徽人も、漢族であった。圧倒的大多数の漢族に対して、少数民族は有徴性を帯びている。同じ「中国人」といっても、外見も習慣も違う新疆人は、色々と差別されやすい。
by pangxie | 2006-07-20 13:15
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