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天天好時光

まとまりのない感想文

この二日間は先日買ったDVD『花より男子2』を見ていた。最近は漫画を原作にしたドラマが幅をきかせているけれども、得てして原作を台無しにしてしまう傾向にある。漫画だからこそ許される非現実的な突飛な設定も、実写になったのを見ると、鼻白む思いをいたさずにはおれない。

『花より男子』など、大金持ちの男子4人組(F4=花の4人組という恥ずかしいユニット名がついている)対貧乏娘の話で、スケールもとてつもなく大きく、文字通りありえない設定。まずは内田有紀主演で映画を試みたものの、大してヒットしなかった様子。そのあとアニメ化を経て、なんと台湾で実写化した。台湾人がマキノだのドウミョウジ(道明寺司というのが原作の名前であるが、中国語だとdaomingsi siとなるせいか、台湾版では道明が姓、司が名になって、daoming siという名前に変わってしまった)だのと日本名で呼び合っていることも甚だ不自然であるが、一番おかしかったのは金持ちの設定のはずのF4が、全然金持ちらしく見えないところであった。なんというか、垢抜けないというか、とにかく田舎くさいドラマであった。脚本はまあまあ工夫してあって、原作(といっても少ししか見たことがないが)に忠実にうまくまとまっていると思う。

さて日本の実写版であるが、さすがにF4(の道明寺のみ)は金持ちらしく、ゴージャスなオシャレでバシッと着こなしていたものの、とぼけた花沢類役の小栗旬はさておき、残り2人がパッとしない。美作と西門という役名であるが、なぜこんな奴らに女子生徒が騒ぐのか理解ができない。漫画では4人とも美男子で、その美貌と財産に目がくらんだ女子生徒が追いかけているが、実写版では、日本も台湾もともに、道明寺と花沢を引き立てるためにしか存在しないといっても過言ではない美作と西門を、敢えてブサイクにして、財産のためなら容貌など二の次、というある種のリアリティを付加したかったのであろうか。このように勘ぐってしまうほど、ふたりの起用については、申し訳ないが、疑問を感じずにはおれない。

最後に肝心の物語についていえば、脚本家の苦心の跡がうかがわれる。かつての12話から10話へと連ドラ縮小傾向にある中、花男は初回スペシャルと最終回スペシャルを入れて合計11話で、人気を反映した構成になっている。ある程度時事的な要素も入っていたり、コミカルなやりとりも挿入されていたり、と漫画にはない面白さが加わっていて、退屈しなかった。テンポも程よいもので、引きのばしている印象は受けなかった。もっとも漫画が長編なのでエピソードには事欠かないであろうが。
by pangxie | 2007-04-03 01:31
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