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天天好時光

変態研究

河口和也『クィア・スタディーズ』(岩波書店、2003年)を読んだ。

買ったばかりの頃に1度読んだはず。

しかし内容のほとんどを忘れていた。

まじめに読んでなかったのだろう。

興味深かったのは、Ⅱの第一章で映画『ハッシュ』を分析したところ。

従来の規範的な家族が

規範からはみ出る者をいかに苦しめることか。

規範から飛び出して新しい家族のありかたを求めようとすると、

たちまち抑圧されてしまう。

セクシュアルマイノリティの生きにくい現実を、

『ハッシュ』は一種極端な形で描いている。

03年から2年間ほど、熱心にジェンダー関係の本を読んでいた。

ジェンダーこそ作品を読むときに必要な理論だと信じていたから。

そんな思いが天に通じたのか

03年の集中講義は竹村和子先生、

04年の集中講義は大橋洋一先生と

じっくり読んでいた本の著者の講義を直接聞く機会に恵まれた。

(また04年には魯迅研究で有名な丸尾常喜先生の集中講義もあった。

先生の『魯迅「人」「鬼」の葛藤』も個人で、そしてゼミで熟読した)

それから残念なことに各講座の集中講義は廃止されてしまった。

新しく発表された論文とか刊行された本ももちろん大事だけれど、

自分にとって「定番」のものを読み直してみることも必要だと思った。

一方で新しい気づきがあり、

一方で自分のモチベーションを上げることができるので。
by pangxie | 2011-07-31 20:56
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