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天天好時光

分かりにくい

大橋洋一編『現代批評理論のすべて』(新書館、2006年)を読んだ。名著『新文学入門』を著した、大橋先生による編集だから、期待していた。確かに、編集の方針は、理論に対する興味を惹き立てるのに、充分なものであった。しかし、肝心の解説が、イマイチ。執筆者によって、分かりやすいものとそうでないものの差が大きい。批評理論には難解なものが多いが、それを解説する文章が分かりにくい、というのはどういうことか。

ぼくは、難解であるのと分かりにくいのは、別個のものであると思う。難解なのは、文章や修辞が多義的であったり、著者の考えについてゆくのが難しいもの。分かりにくいのは、故意に難解な語句を用いて、文章に格式を持たせようと頑張っているものの、それが空回りして、結果として、読者を混乱させる以外の意味を持たないようなもの。もっとも、理解に苦しむぼくが、バカだと言われれば、元も子もないけれど。。。
by pangxie | 2006-09-22 00:19
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