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天天好時光

久しぶりにジェンダー系

気分転換にジェンダー系の本を読んだ。連休中は読みたい本ではなく、読まなくてはならない本を読まなくてはならないのが億劫。

何かについて細かく分類するのは、AとBとは違う、したがって区別したほうが便利である、という考え方に基づいている。区別には差別を伴う場合があるので注意を要する。じっさい、人種、階級、性差、といずれも深刻な問題を生んできた。こと性差に関しては、科学の進歩、医療の発達にともなって、より一層の区別が行われるようになり、そこにはたしかに差別も含まれている。トランスジェンダーとインターセックスがそうである。

トランスジェンダーは、トランスセクシュアル(TS)とトランスヴェスタイト(TV)に分けられる。TSは、性同一性障害(GID=Gender Identity Disorder)と言われ、性別適合手術を要す。これは医療の対象となる。GIDの認定基準は次の3段階に分けられる。①性別自認と性役割に強い違和感を持つ、②逆の性でありたい、あるはずだという強い願望を持つ、③心理上、社会生活上多大な混乱、障害を伴う。TVは手術は必要とせず、異性の恰好(異性装)をすることによって性別違和が解消される。これは医療の対象外である。トランスジェンダーの問題点は、医療で治癒可能なものとそうでないものとの序列を生むことにある。また、GIDについて、障害をもたらす根本の原因は彼らにはなくて、排他的なジェンダー二元論の方にあるのではないか、という見解も提出されており、傾聴に値する。

インターセックスについて。インターセックスはかつては「ふたなり」などと言われて、聖なるもの、それとは真逆のものとして両義的な意味を持つものとして扱われてきた。これは女に両義的なイメージ(聖母と娼婦)が与えられるのと同じといえる。インターセックスには三つの分類がある。ひとつは男性仮性半陰陽といって、精巣を有するものの外見上は女性的である場合、いまひとつは女性仮性半陰陽といって、卵巣を有するものの外見上は男性的である場合、三つめに精巣卵巣ともに有する真性半陰陽の場合。このように分けること自体がそもそも差別的である。なぜならこれは普通の男あるいは女を前提とした分け方をしているからである。ここには明らかに普通の性とそうでない性という階層秩序が存在するのである。
by pangxie | 2007-05-01 00:18
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