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天天好時光

蘇州と名古屋が似てるって?

朝から図書館に行くつもりが二度寝してしまって大遅刻。その前に本を買っておきたかったので福州路に寄り道して、さらに昼まで食べたものだから、図書館に着いたのは結局2時近く。

昔の雑誌をあれこれめくっていると、蘇州のことを書いたエッセイが気になった。そこにはこう書いてある。

「かつて蘇州を褒め称えた人は、東方のベニスという。また日本の古城名古屋に似ているという人もいる。残念なことにこのふたつの名勝には私は行ったことがないので、比べられないのだが。」

たしかに蘇州を東方のベニスという人はいる。しかし名古屋に似ているなどとは聞いたことがない。ベニスは水郷だが名古屋は違う。何かの間違いじゃないのか?

このエッセイを書いたのは「君匡」という人。調べてみると、40年代上海で共産党の地下組織で活躍した哲非という編集者のペンネームだった。抗日戦争後は革命根拠地に赴き、解放後は中国人民解放軍の部隊にで仕事をしたという。

ここには「蘇州夜曲」の中国語訳も書いてあって面白い。「蘇州夜曲」は当時李香蘭が歌ってヒットした曲。

君がみ胸に 抱かれて聞くは 
夢の船歌 鳥の歌
水の蘇州の 花散る春を 
惜しむか柳が すすり泣く

花を浮かべて 流れる水の 
明日の行方は 知らねども
今宵映した 君の姿 
消えてくれるな いつまでも

髪に飾ろか 口づけしよか 
君が手折りし 桃の花
涙ぐむよな おぼろの月に 
鐘が鳴ります 寒山寺

これを「君匡」こと哲非は次のように訳している(哲非は上のエッセイで訳した歌詞が間違いであるということで、掲載誌の翌月号に訂正を載せている。 ここでは訂正したもののみを載せる)。

抱在你胸前,聽到了
夢的船歌,鳥語。
水國蘇州,是為惜花謝春時:
垂柳的啜泣。

流水漂浮著落花,
即便未知明天去處,
今宵映著了兩人的姿影,
莫消逝啊,到天長地久。

戴在鬢邊,還是吻它一吻呢
是你手折的,這桃花?
且莫含涙啊!在朦朧月下
鐘聲來自寒山寺。

直訳としてはいいかもしれないけど、そのまま歌うわけにはいかない。これよりもサントリーのウーロン茶で歌った歌詞のほうが好きだ。残念ながら1番しかないけれど。

依偎在你的懷裡 聽著那鳥語般的歌
輕似風柔似水 愛的船歌
花落水春已去 迷人的蘇州啊
楊柳在為你哭泣 為你嘆息

あと台湾の懐メロ歌手の歌っている歌詞もある。こちらも捨てがたい。2番まで。中国の歌詞はちゃんと韻を踏んでいるのだ。

投君懷抱里 无限纏綿意
船歌似春梦 流鶯婉転啼
水郷蘇州 花落春去
惜相思 長堤細柳依依

落花順水流 流水長悠悠
明日飄何処 問君還(huan)知否
倒曜双影 半喜半羞
愿与君熱情 永存長留

夜は北京からお客の歓迎と今学期で卒業する人の歓送を兼ねた食事会。テーブルは臭豆腐とかナマズとかザリガニとか、食べたくないものばかり。仕方ないので「抜糸紅薯」(大学いもみたいなもの)を食べまくって、胸焼けして帰ってきた。
by pangxie | 2007-06-23 10:08
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