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天天好時光

consolation

作品読解について「印象批評」だと批判したり、あるいは自嘲気味に語る人がいる。そういうのは読書感想文であって論文ではないと批判する人がいる。でも、作品の読み方には時代の影響があり、時代が変われば別の読み方があるはずだ。これまでにない、新たな読み方の「発見」は、それは充分「研究成果」と言えるものである。だから、作品読解も、読み手を納得させられるものであれば、大いに「アリ」だと思う。

「写小说应当是个故事,让故事自身去说明,比拟定了主题去编故事要好些。许多留到现在的伟大作品,原来的主题往往不再被读者注意,因为时过境迁之后,原来的主题早已不使我们感觉兴趣,倒是随时从故事本身发现了新的启示,使那作品成为永生的。」(張愛玲「自己的文章」より)

(和訳
小説を書くことは物語であるはずで、物語そのものに説明をさせることは、主題を打ち立てて物語を構成するよりもずっとよい。現在まで残っている多くの偉大な作品は、もとの主題は往々にしてもはや読者の注意を引かない。なぜなら時を経て状況が変わり、もとの主題はとっくに我々の関心を呼ぶことはないからである。その時その時により物語そのものから新たな啓発を発見し、その作品を不滅にさせる。)

張のこの文章は、作品読解を研究課題としている私にとって、大いに慰めとなるものであった。
by pangxie | 2008-12-18 00:27
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