解釈をめぐって
中文講読の授業で読んでいるテキストに、こんな表現があった。
娄太太每逢生气要哭的时候,就逃避到粗豪里去,一下子把什么都甩开了。
(和訳)
ロウ奥様は怒って泣きそうになる時は、いつも粗野な態度に逃げてしまい、すぐさま何もかも放り出してしまうのだった。
普段は上品な立ち居振る舞いをしている奥様が、怒って泣きそうになると、乱暴な言葉遣いで夫を非難するという場面である。
ここで問題になるのは「逃避到粗豪里去」という表現だ。
「粗豪」は〈豪放である〉の意味で、ここでは前後関係から〈粗野である〉にした。品詞は形容詞。その後の「里」は「形容詞+里」で、「~の方面、~の方向」という意味。たとえば、次のような表現がある。
不要往坏里想。
(和訳)
悪い方へと考えるのはよせ。
よって「逃避到粗豪里去」は直訳すれば「粗野の方へ逃げていく」と考えるのが自然だ。
ところがある中国人留学生A(授業をちょくちょくサボっている不届き者)は、この「粗豪」をある場所を指す語句なのではないか、と言いだしたのだ。辞書を繰ってみても「粗豪」には「豪放である」以外の意味は書いていない。トンデモ発言である。
もう一人の中国人留学生Bは「粗豪」は人の名前だと勘違いをしていた。これには理由がある。授業で使用しているテキストではこの部分は次のように書かれていたからだ。
~,就逃避到粗豪家里去,~
「粗豪」の後になぜか「家」という字が入っている。別のテキストを見てみたら、「家」という字は入っておらず、むしろない方が適当なので、授業ではミスプリかもしれないということにした。それにしても「粗豪」が人の名前ってのもなんだかヘンテコだ。
娄太太每逢生气要哭的时候,就逃避到粗豪里去,一下子把什么都甩开了。
(和訳)
ロウ奥様は怒って泣きそうになる時は、いつも粗野な態度に逃げてしまい、すぐさま何もかも放り出してしまうのだった。
普段は上品な立ち居振る舞いをしている奥様が、怒って泣きそうになると、乱暴な言葉遣いで夫を非難するという場面である。
ここで問題になるのは「逃避到粗豪里去」という表現だ。
「粗豪」は〈豪放である〉の意味で、ここでは前後関係から〈粗野である〉にした。品詞は形容詞。その後の「里」は「形容詞+里」で、「~の方面、~の方向」という意味。たとえば、次のような表現がある。
不要往坏里想。
(和訳)
悪い方へと考えるのはよせ。
よって「逃避到粗豪里去」は直訳すれば「粗野の方へ逃げていく」と考えるのが自然だ。
ところがある中国人留学生A(授業をちょくちょくサボっている不届き者)は、この「粗豪」をある場所を指す語句なのではないか、と言いだしたのだ。辞書を繰ってみても「粗豪」には「豪放である」以外の意味は書いていない。トンデモ発言である。
もう一人の中国人留学生Bは「粗豪」は人の名前だと勘違いをしていた。これには理由がある。授業で使用しているテキストではこの部分は次のように書かれていたからだ。
~,就逃避到粗豪家里去,~
「粗豪」の後になぜか「家」という字が入っている。別のテキストを見てみたら、「家」という字は入っておらず、むしろない方が適当なので、授業ではミスプリかもしれないということにした。それにしても「粗豪」が人の名前ってのもなんだかヘンテコだ。
by pangxie
| 2010-01-21 01:14